たくさんの美白
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遅刻しそうな時に限って...。

その日は前の晩お酒を飲み過ぎて、いつも家を出る時間より10分も遅くなってしまった。  常にギリギリの時間に出勤している自分にとっては致命傷の10分だ。  いつも歩いている通勤路をダッシュで駆け抜ける。  唯一の救いと言えば、午後一時の出社だということ。  つまり通勤ラッシュというものが関係ないことだ。  電車で15分、つかの間を休息を得ることが出来る。  そして駅に着いてからが試練だ。  駅から職場まで本来かかる時間は20分。  現在時間は12時45分…普通に歩いていては確実に遅刻だ。  それだけは避けなければ…上から何を言われるのか分かったもんじゃない。  駅の改札を出てから、一気にダッシュ。  お昼時の人の多さを鬱陶しいと思いながら横を駆け抜ける。  ただいかんせん体力がない…若い頃なら体力に自信があったが今は足がもつれ、息もすぐに上がってしまう。  一旦休もうと歩きに切り替えた時、後ろから誰かが走ってくる音が聞こえてきた。  ヒールの音がするから、間違いなく女性…。  その予想は正解、横を通り抜けて、そのまま駆け抜けていく…はずだった。  だが、突然事件は起こった。  目の前で以上に派手に財布を散らかしてしまったのだ。  レシート、プリクラ、お金、お札…拾っていいのか迷うレベルで多くの個人的な趣味趣向のあるものが散らばっていたのだ。  その瞬間脳裏によぎる二択…。  ここで拾うのを手伝っては、遅刻だ。  とはいえこれほど派手に散らかした財布を無視して通過するのか…。  …とった行動は『財布を拾ってあげる』だった。  遅刻なんて自分の都合で困っている人を見過ごすことなどできない。  なんてことを考えるでもなく、身体が勝手に拾っていたのだ。  良心が働いたのだろうか…。  その女性はありがとうとお礼を言ってまた先に駆け出して行った。  その駆け出した先で今度は手帳を派手に落としていたが、また別の人が助けていた。  本当に現実でこういう方がいるんだなと思いつつ時計に目をやる。  既に、完全に遅刻の時間だった。

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